3年半ぶり43回目となる城市設楽原歴史資料館主催の「ふみの蔵コンサート」がきのう10日、資料館で開催されました。ソプラノの平野とも子さんとリュート奏者の櫻田亨さんが共演し、集まった約80人の市民を魅了しました。
「寝覚月に寄せて」のテーマで行われた演奏は、16・17世紀のイギリスの音楽を中心に「あのこは僕の苦しみをどう言い訳できるのか」「エリザベス女王のガリアルド」「白いユリが育つのを見たことがありますか」など13曲が、リュートとソプラノの共演、リュートの演奏という形で披露されました。リュートの独特の優しい音色と軽やかな弦の響き、ソプラノの透き通るような歌声が観衆を魅了しました。
平野さんは「多くの方に聴いていただけてよかった。無料で音楽に触れる貴重な場。これからも開催できるとうれしい」と意欲をみせました。
このコンサートは、資料館に訪れる人を増やすとともに、市内演奏家の発表の機会をつくることをねらいとし、2012年3月から2カ月ごとに開催されてきました。ただ、2019年3月の第42回以来、内装工事、コロナ禍のため開催できず、今回久々の開催となり会場も満席となりました。
休憩タイムには、毎回同資料館・湯浅大司館長のミニ講座があり、この日は家康ゆかりの新城の場所、鉄砲の玉となる鉛が市内井代の鉱山でも採れたことなど、貴重な話がありました。
湯浅館長は「歴史を感じるこの場所で、歴史と音楽が一つになったコンサートを開く意味は大きいと思う。これからも続けていきたい」と話していました。